TEM/STEM像 シミュレーションソフト
クライオTEM用タンパク質バリデータ
BesTEM_Bio
タンパク質単粒子解析への、BesTEMの応用
BesTEM_Bioの特徴
BesTEM_BioはBesTEMの持つ基本機能に加えて、クライオTEM(透過電子顕微鏡)を用いたタンパク質単粒子解析のために、更に次の機能が加わって います。
01
公開されているタンパク質データ・バンク(Protein Data Bank)からタンパク質の3次元モデル・データをダウンロードして、 任意の透過電子顕微鏡像をシミュレーションすることが出来ます。この際に、任意のデフォーカス量や収差量に相当するシミュレーション像が高速で計算できます。
02
超高速で、 実際の透過電子顕微鏡像とシミュレーション像のマッチングが出来ますので、 実際の透過電子顕微鏡像の妥当性が評価できます。
03
氷包埋されたタンパク質の状態や、 極低電流量下でのノイズを含む、 実際の顕微鏡像と同等な条件でのタンパク質のシミュレーション像の計算が可能です。
04
コンピュータ・トモグラフィにより、 3次元立体像のシミュレーション像の再構成も可能です。
クライオTEMによるタンパク質構造解析支援ツールの提供
PDBデータをダウンロードし、TEMの光学条件を選択することにより、数十秒程度の時閻で、タンパク質のクライオTEM像が表示されます。 その後は、テフォーカス量や収差量や借率等の光学条件をマウスクリックにより変化させると、リアルタイムでタンパク質の像が変化します。最適な光学条件を容易に決定することが出来ます。
Fig.1 Simulated images of 13-galctosidase by BesTEM_Bio
CTFグラフを見ながら最適な光学条件を決定することが可能です。
Fig.2は、氷包埋されたタンパク質の像を、氷の厚さを変えながらシミュレーションした例です。
Fig.2 Simulation for the effect of ice thickness for a TEM protein image.
Defocus=-360nm, Cs=0.002mm
また、他の応用例では、PDBデータをもとに、タンパク構造の修飾(一部構造を変更する)をBesTEM_Bio上で行い、その後にシミュレーションすることも可能です。既知のタンパク構造を修飾後のTEM像を推定することが容易になります。
Fig.3は、オキシ・ヘモグロビンとテオキシ・ヘモグロビンのTEMシミュレーション像の計算例ですが、BesTEMでは、その違いを認識できます。
Fig.2 Simulation for the effect of ice thickness for a TEM protein image.
Defocus=-360nm, Cs=0.002mm
クライオTEMによるタンパク質3次元構造決定の妥当性評価ツールの提供
BesTEM_Bioは、クライオTEMによって決定されたタンパク質3次元構造の、構造の妥当性を評価することが出来ます。
BesTEM は、
1. 決定されたタンパク質の3次元構造と、TEMの光学条件をもとに様々な投影角におけるTEM像をシミュレーションします。
2. シミュレーション結果の像と、 実際に3次元構造決定に用いたTEM像との相関を求めます。
3. 相関量を評価し、高い相関が認められれば、 妥当であると判断します。
1〜3をGPUを用いて超高速計算します(特許出願中)
Fig.1 Simulated images of 13-galctosidase by BesTEM_Bio
BesTEM_BioはクライオTEMを用いたタンパク単粒子解析法に全く新たな解析ツールを提供します。